演出と真実

映画とかドラマとかのカーアクションの1つとしてよく見るのが車両の大爆破

ホントにあんな爆発をするとは誰も思ってないでしょうけどね。
でも、実際に車が燃えるときってどうなるのか知ってる人って多くはないと思うんですよね。
僕も自分の目で見るまでは大爆発とまでは言わないまでも、「ドーン!」くらいは言うのではないかと思ってた。
そう、見るまではね。


8年くらい前になるかな。
東京消防庁の「延焼実験」の手伝いをしたことが有ります。と言っても、僕が手伝ったのは、燃えている様子をサーモグラフィで計測したり、熱伝対で温度計測したり、いわゆる「計測」のお手伝いです。

延焼実験とは?
例えば、民家が火災で炎上中とかに、その家の横に停めてある車が、火災による放射熱で、どのように燃えるのかを実験するのです。
実際に家を燃やすわけにはいかないので、5m四方くらいの巨大な鉄板を垂直に立て、その裏から十数本のガスバーナで鉄板を熱する。その鉄板から2〜3mくらい離して車を置いて実験開始!

しばらくすると塗装面がメラメラとめくれ始めます。そう、火傷でケロイド状になった皮膚のように。
同じ頃、鉄板側のタイヤは熱により変形を始めます。


さらに、室内に内装などが燻る事により煙が充満し始めます。
因みに、エンジン停止直後などを想定して、布を燃やした火種をエンジンルーム内に置いてたりします。
すると、ボンネットの隙間から煙と共にチラチラと火が・・・・


さらに時間が進むと、熱によりサイドウィンドウが割れます。
すると、充満していた煙(ガス)は酸素を得て一気に燃え上がります。



バックドラフト って奴ですかね。





でも爆発はしませんよ。(^^;;


見る見る車は炎に包まれていく。



そろそろか?



まだか?

炎は徐々にガソリンタンクへと火の手を伸ばしていく。




くる・・・・来るのか・・・・?








パーン


来たぁ〜!!
ぅお〜、ビックリしたなぁ〜もう。
ん? 「パーン?」・・・・・・ はぁ?





タイヤの破裂する音でした。(^^;;


そして、やっと、遂に、魔の手はガソリンタンクへ。






ジジジ、ジュッジュッジュウ〜

タンクに繋がれたホースが焼け切れて、下へ向いて燃料を吹き出しています。
でも、気化していないガソリンは火に水を掛けてるような物で、ジュージュー言うだけで一向に爆発する気配はない。
ジュージュー言いながら気化して、ただ燃えてるだけ。

結局、空になるまでガソリンをぶちまけて、車は燃えるだけ燃えたら、矢吹ジョーのように燃え尽きた鉄くずになってました。

正直、ガッカリですよ。
チョットは期待してたんだけどなぁ〜・・・・。
映画のような大爆発・・・・

まぁ、そこが映画の「演出」効果って言えばそれまでなんですけどね。


でもねぇ〜・・・・・

これじゃぁ、まるで、









ただの鉄板焼きだよ。